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原画: マルティン・ションガウアー MARTIN SCHONGAUER(c.1450-91)
版画: 同上
主題: 「ピラトの前のキリスト」CHRIST BEFORE PIATE.(B.14; L.24)
手法: 銅版画 Engraving. (B.14; L.24)
寸法: 161 x 115mm. (画面および紙面)
出展: 「ミケランジェロと巨匠たち」茨城放送開局25周年記念1988年
   「ミケランジェロと巨匠たち」仙台市、1988年
   「ルネサンス・バロック版画展」福山市立美術館、1995年
 ションガウアーは、アウグスブルク出身の金細工師の子で、画家であり最も優れた版画家の一人である。初期の修業については不明であるが、ロヘール・ファン・デル・ヴァイデンおよびその他のネーデルランドの画家の影響を受けて独自のスタイルを確立したことは確かである。彼の確かな絵画としては、1473年に制作した「バラ垣の聖母」(コルマール、サン・マルタン)のみである。素描は50点が現存し、それに本作品を含む115点乃至116点の銅版画が知られている。版画には、皆M+S のモノグラム(組み合わせ文字)による署名がある。版画の制作年には色々な説があり、確かな年代設定はかなり困難である。初期の作品として考えられるものは、モノグラムMの脚下が広がっていない10点乃至11点である。この点、本作品は中期以降の版画と考えられる。 マルティン・ションガウアー「ピラトの前のキリスト」
ションガウアーの制作活動は、1470年頃から約20年と考えられるが、この間に制作された作品はドイツ美術の発展に極めて大きな貢献をした。デューラーでさえションガウアーの工房で学ぶことが望みであったのであるが、彼がションガウアーを訪ねたときには既に他界していたのである。ションガウアーは存命中から高い名声を得、その令名は遠くイタリアまで届き、多くの芸術家の手本とされた。
本作品の主題は「ルカによる福音書23」から取られたものである。
キリストが捕らえられた後、総督ピラトの審問を受けたが、無実であることが判明した。しかし群集は「十字架につけろ」と大声で要求したため、死刑が宣告された。総督ピラトが群衆の前で手を洗っているのは、キリストに死刑宣告をしたのは自分の意図ではない。自分には責任は無いということを示すためである。本版画は15世紀に制作されたが極めて状態が良い。
西洋古典版画研究家 山中己充人

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