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原画: パルミジャニーノ(フランチェスコ・マッツォーラ(1503-40)
    GIROLAMO FRANCESCO MARIA MAZZOLA, IL PARMIGIANINO
版画: 同上 - ditto -
主題: 「キリスト降誕」 THE NATIVITY.
手法: 銅版画 Etching.
文献: B. XVI, 3.
展覧: 「ルネサンス・バロック版画展」No.26(財)ふくやま芸術文化財団、
    ふくやま美術館、福山市教育委員会、朝日新聞社、広島ホームTV 
パルミジャニーノは本名をフランチェスコ・マッツォーラと言い、ポントルモやジュリオ・ロマーノと並び、初期マニエリスムの最も偉大な画家の一人である。彼は幼少の頃から神童的才能を発揮し「キリストの先例」を描いたのは14歳の時といわれている。初期の頃は、コレッジョの影響の下に成長したが、1521年に制作した「聖女カテリーナの神秘的結婚」は、早くも独自の画風を見せ、素描の驚異的才能も遺憾なく発揮した。この優美で繊細な表現は生涯を通して、彼の基本的な芸術特性となったものである。しかしダイナミックな色彩や力強い構図などは明らかにコレッジョの影響を残すものである。これは1522年に制作した、パルマのサン・ジョヴァンニ・エヴァンジリスタ聖堂のフレスコ画にも良く現れている。 パルミジャニーノ「キリスト降誕」 THE NATIVITY.
1524年にパルミジャニーノはローマを訪れたが、そこではミケランジェロを徹底的に研究した。しかし彼の芸術的センスが磨かれたのは、ラファエロに負うものである。創造力のエネルギーはミケランジェロから得たことは言うまでも無い。この事実は、当時のローマ人もよく知っており「ラファエロの魂がパルミジャニーノに乗り移った」と言っている。この頃パルミジャニーノのスタイルは洗練された形態を更に発展させ、高尚な精神性を最高度に視覚化した。彼は版画の下絵を多数描いたが、それ以上に重要なのは、自作の版画作品である。
 本作品はその代表作の一点である。
ドイツにおいてエッチング版画はかなり前から制作されていたが、イタリアにおいてはパルミジャニーノが本格的エッチャーとして最も初期に属する版画家である。
しかし1520年以前に制作されたパルミジャニーノの版画作品は無いようである。現在のところでは1522の作品が最初の版画とされている。本作品は酸で腐食させた後、主要部分をキリのような鋭突な道具で彫ったエングレーヴィングを加えている。本作品を見ても分かるように、パルミジャニーノの版画は彼のペン素描の再現である。彼の素描は史上最も重要なものの中に数えられるが、そのエッセンスが版画に生き生きと現れている。この成果はイタリアにおいて初めてエッチングを用いたという歴史的業績をはるかに超えるものである。優美なマニエリスム的な人物像も、後のフォンテンブロー派やヴェネツィア派が模範として自分たちの作品に取り入れたほど大きな影響を与えたのである。
西洋古典版画研究家 山中己充人

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